持続可能なビジネスとは、そのビジネスに携わる全ての人々にとっても持続可能であることが条件だ。サプライチェーンが長く複雑なアパレルビジネスは、業界全体で手を取り合い、生産者の生活向上に貢献する方法を探る必要がある。そのアプローチの一つを実践するのが、インドの綿花農家の支援を行うピース バイ ピース コットンプロジェクト(以下、PBP)だ。 PBPは2008年に通販大手のフェリシモの通販ブランド「ハコ!」の事業から立ち上がったプロジェクトだ。当時、世界最大の綿花の生産地であるインドでは綿花農家の高い自殺率が問題視されていた。農薬や化学肥料、遺伝子組み換えの種を買うために借金した農家が、それらを適切に使えなかったり、そもそも土地に合わなかったりなどの理由で収穫量が減り、借金を返せずに自殺してしまうという状況が生まれていたのだ。PBPはこの問題を解決するために、インド産のオーガニックコットンを使用