「これが新世代のジェイポップ、こころはロックンロール」 自身の音楽性をそう表現するのは、北米、ヨーロッパ、アジアをツアーで回るなど、世界を股にかけて活躍する春ねむり。シンガーソングライター、ポエトリーラッパー、プロデューサーの肩書きを持つ、横浜出身の28歳だ。 愛や怒りといったざらざらした感情を曲に乗せて、歌い、叫ぶ。そのずば抜けた表現力に、世界中のリスナーが心を動かされて、米メディア「Pitchfork」で高得点を獲得(フルアルバム『春火燎原』で)するほど国際的な評価を受けている。 彼女が放つメッセージは、決して万人受けを狙ったものはない。本人の言葉を借りると「全然友達ができなくて、教室の隅で一人でごはんを食べているような人」に向けて歌っている。それゆえに一部のリスナーに、深く、深く刺さるのだろう。 そもそも彼女はなぜ、世界に飛び出したのか。その先に何を目指しているのか。話を聞いた。 原