2023年2月3日夜に荒井勝喜首相秘書官(肩書きは当時)が記者団に向かって発した、同性婚についての差別的発言のため更迭された出来事を、政治取材に多用される「匿名の情報源」の問題として振り返ってみます。 伝えられているような、荒井氏の「同性婚は隣に住んでいたら嫌だ、見るのも嫌だ」という発言は、オフレコであっても、政府の中枢を担う人物としては、資質を疑うレベルのもので、更迭は当然だと思われます。 読者の方を向いていた 毎日新聞は、「オフレコ」という荒井氏と記者との約束よりも、岸田首相の側近が、内閣が掲げる多様性尊重の方針に反して、同性婚を「嫌だ」と差別的な感情を露わにするような人物であるという問題を読者に伝える方が大事だと判断したということです。 おまけに首相のスピーチライターでもあるのです。政治とは言うなれば「言葉」です。岸田氏の言葉が、そのような人物の影響を受けて発せられているという恐れが