2013年にベルリンで創刊された雑誌『Flaneur』(フラノイア)。毎号、世界各国の都市のとある1本の通りに焦点を当て、その場所に重なり合う生活や歴史をひもとくインディペンデントなマガジンプロジェクトだ。 創刊号の「カント通り」(ベルリン)をはじめ、「フォキオノス・ネグリ通り」(アテネ)、「ブリヴァールノエ環状道路」(モスクワ)、「康定路(カンディンルー)/萬大路(ワンダールー)」(台北)などの世界各地の通りをテーマに、これまで全9号を発行してきた。創刊以来、ユニークなコンセプトと美しいグラフィックデザインで数々の賞を受賞し、クリエイティブ業界を中心に世界中にファンが存在する。 その制作プロセスは独特で、編集チームは毎回現地に約3カ月間住み、ひたすらその通りを歩くなかで、後に寄稿者や協力者となる地元アーティスト、作家、店主、活動家、古くからの住人らと知り合う。そして誌面上には、現地での出