人、モノ、資本、情報などあらゆるものが移動する時代にあって、「観光」のあり方も大きく変わりつつある。遠藤英樹は「ツーリズム・モビリティーズ」に注目し、モバイルな社会の中で、観光が社会や文化のあり方を揺るがす様相を捉えようとしている。 「移動」によって拡大する「観光」のあり方 現代社会は、「モバイル」で特徴づけられるといわれる。「グローバリゼーションやモバイルテクノロジーの発展は、人、モノ、資本、情報、観念、技術など、あらゆるものが絶えず『移動』し続ける世界を現出させました」と語る遠藤英樹。その中で、「観光もまた、モビリティの重要な一形態になっている」とする「ツーリズム・モビリティーズ」に注目している。 「移動」を前提とした社会は、「観光」の意味やあり方を大きく変えようとしている。「観光客」「地域住民」といった区別さえ明確ではなくなりつつあるという。「観光で沖縄を訪れたと想像してみてください