「すみません。昨日は北京で、過去10年で最悪規模の黄砂が発生して。今朝は一転、青空が広がったので、その続報を早いうちに公開しようと思ったんです」。北京、福岡、そして東京の3カ所をつないだオンライン取材の冒頭。突然かかってきた電話に応じた様子に、情報の即時性と正確性を重視する報道機関としての矜持を見るとともに、これから“取材のプロ”に取材するのだと背筋が伸びた。 インターネットによって誰もが容易に情報を得られ、また発信できるようにもなった現代社会。あふれる情報のなかで、その立ち位置が問われているのが「マスメディア」だ。「自分たちにしかできない役割は何か」。マスコミ各社の模索が続くなか、読者の困りごとに応える“基本”に、あえて立ち返った媒体があった——九州・福岡を拠点とするブロック紙、西日本新聞だ。 同社が立ち上げた『あなたの特命取材班』(以下、あな特)は、読者の声を起点とし、新聞社が独自の取
![立ち返った原点は、読者の声。「エリアの最強メディア」地方紙を“再発見”した西日本新聞『あな特』の実践 - CX(顧客体験)のメディア「XD:クロスディー」](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/95c9f2930f000381d38eb3bd4943f3aa418d0794/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fexp-d.com%2Fwp-content%2Fuploads%2F2021%2F05%2Fnishinippon_top.jpg)