作家・鈴木涼美による新書『JJとその時代 女のコは雑誌に何を夢見たのか』(光文社新書)は、数々の人気モデルを輩出し、女子大生を夢中にさせ、部数80万を誇った雑誌「JJ」を軸に、女性ファッション誌が女性たちにどんな価値や思想を提供してきたのかを論じた一冊だ。女性ファッション誌が次々と廃刊されていく中で、何が失われたのかを見つめ直すその眼差しは、これからのメディアの行き先を考える上でも示唆に富んだものだろう。鈴木涼美に、同書に込めた想いを聞いた。(編集部) 鈴木涼美『JJとその時代 女のコは雑誌に何を夢見たのか』(光文社新書) ――『JJとその時代 女のコは雑誌に何を夢見たのか』は、女性誌が次々と廃刊されていく近年において、改めてそれらがどんな役割を担っていたのかを振り返った一冊です。執筆の動機を教えてください。 鈴木:女性誌については以前からどこかで書きたいと思っていて、特に「JJ」「Can