「デザイナー35歳定年説」というものがありました。 35歳になったらデザインをやめて別の仕事をするという話です。若い自分は恐ろしげに感じましたし、逆に「一生、手を動かしてものづくりをするんだ」と奮起したものでした。 似た話は今でも続いているらしく、業界の都市伝説としてひたひたと続いているようです。30代になったらライフステージや体力面から難しくなったり、感覚が市場と合わなくなる人が出てくるのは漠然とイメージできる。30代になったら、ディレクターやプロデューサーと言った川上(上流)工程に移っていく風景もよく見られるものです。 表面的にはこの現象は理解できますが、それがどのような構造で起こっているのか。今回は、それをデザインの「価格」の視点から捉えていきます。 今回は、話を単純化して進めていきます。現実はもっと複雑ですが、粗い構造だけでも知るべきと思い、書き進めていきます。キャリアを考えるヒン