(正月からこんな暢気なものを書いていていいのか、こんなものしか書くことがないのかと、我ながら不審に思うが、事実これと似たような場面を目撃し、さすがに地震や飛行機事故とは比較しようもないけれど、瞬間的な感覚としてはそれら悲惨なニュースに劣ることのないほどのショックを受けたので、2024年の年初にあたり、自分自身の記録として残しておこうと思う次第。) 正月の二日から営業していると聞いた近所のスーパーマーケットに、なにもそんなに慌てて買う必要があるわけでもない日用品を求めて買い物に来ると、七十は優に超えている老人が店の真ん前に自転車を停めて、その横にしゃがみ込んでいた。不潔というほど酷くはないが、正月とは思えない粗末な身なりだ。いかにも量産店で売っていそうなヨレヨレの薄茶のズボンに、長年着古したであろうベージュのジャンパーを羽織っている。それでも、快晴の光を受けたベージュのジャンパーは、痩せて頬