2010年11月13日17:30 カテゴリ本経済 成長を阻害している最大の要因 物理学を勉強しないで電子回路を設計する人はいないが、成長理論を知らないで「成長戦略」を語る人は多い。まぁ経済学とはその程度の学問だと思われているのだろう。特に成長理論は、数学的に高度なわりに実用にならないと思われているが、最近は途上国で政策に応用されたりして経験的な蓄積も増えた。本書はそういう経験も踏まえて実証データに重点を置いた経済成長の教科書で、数学的にはやさしいのでサラリーマンでも読める。 本書の特長は、内生的成長理論などの高度なモデルを使わないで、なるべく伝統的な成長理論で説明している点だ。成長率を決める上でもっとも重要な生産性の中身も、かなりの部分はテクノロジーというより新古典派的な効率性で説明できるとしている。これは産業を部門別に比較すると明らかだ: 米国 日本 ドイツ自動車10012784鉄鋼10