日本のIT業界やユーザー企業のIT部門で高齢化が進んでいるのは周知の通りだ。もう少し正確に言うと、少子高齢化ならぬ少“若”高齢化。特に大手SIerでは50代のシニア技術者の割合が増え続け、20代、30代の若手技術者の割合がどんどん減っている。技術者の高齢化はシステム開発や保守運用で人月商売を繰り広げるSIerには由々しき事態に思えるが、実はそうではない。 由々しき事態どころか、これはSIer各社に共通する生き残り戦略である。SIer各社の決算を継続的にウオッチしている読者はご存知だと思うが、案件が増えて超売り手市場になっても、SIerはどこも売上高をほとんど増やしていない。言うまでもなく、システム開発などの人月商売の売り上げは、下請け先も含め動員する技術者の頭数に比例する。つまりSIerは、昔のような無茶な技術者動員による売り上げ拡大を控えるようになったのだ。 「今は技術者が不足しているか
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