先日、山梨土産にいただいた名物のほうとうを食べながら「煮崩れた野菜って、なぜこうもおいしいのか」と、しみじみ考えさせられた。 そうなのだ。ほうとうは、煮溶けたカボチャがスープに混じってトロトロになったところがバツグンにおいしく、数ある料理の中でも「野菜を崩してもオッケーですよ」とお許しの出ている貴重な存在なのである。 しかし、煮崩れた野菜がおいしいのは、なにもほうとうに限ったことではないと思う。ほとんどの煮物料理はレシピに「煮崩さないように」と注意事項があれこれ書かれたりするが、少しくらいなら、かえっておいしくなるのではないだろうか。 そう思って、いろいろと作ってみました。 (高瀬 克子) つまりは和風ポタージュだ ほうとうには、家にあった野菜をポンポン入れた。 鍋の中で煮込むうち、あっという間にその原型がなくなったのは、カボチャとジャガイモである。