6月、習近平国家主席が琉球について言及したのを機に、中国では琉球の帰属をめぐるメディアの報道が増えつつある。この状況を作り出した中国側の意図を、英経済誌「エコノミスト」が専門家の意見を交えながら解説する。 なぜいま、琉球なのか 6月初め、習近平は北京の史料展示研究施設である国家版本館を訪れた。それは一見、通常の視察のように思われた。中国の最高指導者である習は、動物の骨に刻まれた古代文字や宋朝(960-1279年)の天文図など、興味を引かれたさまざまな展示物についてコメントした。 だが最も注目されたのは、明朝(1368-1644年)の古文書についての発言だった。その古文書には、中国の福建省と独立国であった琉球王国(後に日本の沖縄県となる島々)の古い絆に関する記述があった。 この書物は「重要な政治的役割を担っています」とスタッフは説明した。習はそれを受けて、福建省で高官を務めた経験から、この交
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