記者をしていると、ときおり思いがけない資料を目の当たりにすることがある。そして往々にして手に入れた資料をどう使えばいいのか、悩むことになる。 先日もそうだった。スマートフォン決済サービスを展開する米スクエアの幹部が来日し、インタビューをしていたときのことだ。ビジネス・リードのフランソワーズ・ブロッカー氏(写真)に様々な質問をぶつけていく中で、日本での事業展開の現状に満足しているかと質問した。特に何かを期待していたわけでもない。こうした外資系企業の本社幹部取材の場合、たいていは「日本の素晴らしいチームのおかげで大変満足した結果を残せている」とお決まりのコメントが返ってくるのが通常だ。 だが、ブロッカー氏は違った。微笑みながら「これを見てくれれば分かるわ」と1枚の紙を手渡してきたのだ。そこに書かれていたのは日本での競合も含めた、ある意味、シェアを示す数字だった。「これはニュースだ」と心が沸き立