6年ぶりに勝率5割を超えた先手矢倉。ここ数年苦境に陥っていたわけを解説 この記事をご覧の将棋ファンの皆さんは、「矢倉戦法」はご存じかと思います。では、「矢倉は将棋の純文学」とまで言われ、相居飛車の戦型の中で最も多く指されていた矢倉が、近年激減していたことはご存じでしょうか。 写真の表は2013年度から19年度までの、公式戦(女流公式戦は除く)における先手矢倉の成績です。13年から対局数は右肩下がり、また、先手勝率も5割を切るようになりました。それが19年度には対局数も激増、先手勝率も再び5割以上になったのです。どうして先手矢倉に冬の時代が訪れたのか、そしてなぜ復活したのでしょうか。今回は前半の、なぜ先手矢倉が勝てなくなってしまったのかを見ていきます。 13年度ごろの矢倉は、先後ともにがっちりと矢倉囲いに組み上げてから全面戦争、というじっくりと戦う戦型でした。しかし、あるものの台頭で徐々にそ