<「入りにくく見えやすい場所」が犯罪を遠ざけることが分かっているが、どんな公園なら安全と言えるのか。日本の防犯上の課題を整理し、海外の事例に学ぶ> 子どもが大好きな場所と言えば、真っ先に思いつくのが公園。しかし、子どもが集まるということは、犯罪者からすれば、犯行の機会(チャンス)があるということだ。魚がたくさんいる場所で釣りをするように、子どもを狙った犯罪者は、子どもがたくさんいそうな場所で「狩り」をする。 こうした視点を「犯罪機会論」と言う。 犯罪は、犯行の動機があるだけでは起こらず、動機を抱えた人が犯罪の機会に出合ったときに初めて起こる。それはまるで、体にたまった静電気(動機)が金属(機会)に近づくと、火花放電(犯罪)が起こるようなものだ。 しかし、日本では、「機会がある場所」ではなく、「動機がある人」に注目している。その結果、対策は「動機がある人」に抵抗する「マンツーマン・ディフェン