なぜなら、あれは価格は高いのに耐久性は極端に低く、さらにほとんどの人にとって身体に悪く、レースの記録も悪くなるからだ。ああ、すぐさま「そのシューズを脱ぎなさい」と言ってあげたい。その衝動を抑えるのに七転八倒して、気分と体調を悪くして、私は家路につくことになる。それで、人気(ひとけ)のない夜明け前の散歩をしているのだ。 問題その1。この手のシューズはプロ専用である。 そもそも、ランニングシューズにカーボンを入れて、その衝撃を緩和するために分厚く超軽量のクッション材を追加した“アツゾコ”(厚底)シューズを開発したナイキの意図は何か。それは、ケニアの英雄であるエリウド・キプチョゲ選手が人類初の「マラソン2時間切り」を実現するためだった。 要は、キプチョゲ専用シューズだったのである。その後、アフリカ以外のアスリートにも提供し、日本では大迫傑選手が早くからユーザーとして開発にアドバイスをしていた。例
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