政府は人工知能(AI)の開発や利用に関して、企業や団体に対する国内向けの指針を年末に向けまとめる。先進7カ国(G7)で合意した「国際指針」を踏まえ、基本的人権への配慮を求める原則や、高リスク分野への追加ルール策定などが盛り込まれる方向だ。岸田文雄首相の偽動画などAIの不正利用が増える中、実効性のある指針の制定は急務だ。ただ、積極的な開発や利用を阻害しかねないとして、罰則などは盛り込まれない見通しだ。 政府が策定中の指針は、総務省と経済産業省の既存指針を統合した上でG7の国際指針の内容も盛り込むもので、原案では、利用者のAI依存リスクを踏まえて対策を講じるよう要請。本人の同意なく個人情報が第三者に提供されないようにすることも求める。AIの開発や利用に当たって適切な管理体制を構築し、その設計や運用から独立した者に妥当性を評価させることも必要とした。 さらに、偽情報拡散や人権侵害といったリスクの