前衛という概念が消失した現在で、価値は相対化し、前衛と思われるアントワープアカデミーの方向性は前衛としての機能不全を起こしている。構築的なもの、理解にくるしむようなもの、クラシックなシルエットのもの、ミニマムなもの、奇をてらったものと様々な趣向のものがあったが、観客とのコミュニケーションの結果の多くは、「わからないけど、この人はこのような作品が好きなんだね、人それぞれで本人が良いならそれで良いね。」というような類のものが多かったのではないだろうか。 そんな中でも目を惹かれたものを挙げるとするならば、評価のできる事をしっかりと高いクオリティで仕上げてきた学生の作品だろう。つまり、使っている生地が良いもの、縫製が丁寧なもの、良いパターンを使用しているもの、テーラーリングなどの技術の要するものを仕上げてきているものなどがそうだ。という訳で僕にとってわかりやすく、評価のできるものはメンズのもので、