42歳のベテランGK。日本代表としてW杯に4大会連続出場し、J1リーグでは歴代最多となる631試合のピッチに立ってきた。リーグ制覇を果たした2010年には、GKとして初の年間MVPにも輝いた。 あらためて、経歴を記す必要などないかもしれない。日本を代表する偉大なGK、楢崎正剛。2019年1月8日に、現役引退を発表した。 「なんか、今日いざ発表したら、『辞めたんや』という実感が湧いてきた。だって、ニュースに俺の名前がバンバン出てくるからね」 電話の向こう側で、いつもの関西弁混じりで笑っていた。レジェンドの引退が報道されるのは当然。こんな時でも自分を謙遜するように自虐ネタを発してくるあたりが、彼の性格を表している。 自分は二の次。決して、自らを誇示することはしない。楢崎らしさに溢れていた。 奇しくも、日本代表で長く共に戦ってきた盟友と、同じタイミングでの引退発表となった。 「佑二と話したのは年