華の都パリにあって中堅クラブに過ぎなかったPSG。 だが、カタールによる買収が全てを変えた。 W杯開催を控え、中東の小国は何を狙っているのか。 無限の予算をつぎ込んで獲得した2人のエースに 託された使命とは何なのかを、現地から読み解く。 Number960号(2018年8月30日発売)の特集を全文掲載します! ネイマールとムバッペ。 パリ・サンジェルマンのカタール人オーナーが煌びやかな2人のスターを獲得したのは、欧州制覇に近づくためだ。ただそこには別の意図もある。ペルシャ湾岸の人口267万人ほどのこの小国は、'22年にW杯を開催する。 それまでに、国家につきまとう嫌なイメージを覆い隠し、明るい光を照らす存在として、彼らに期待しているのだ。 ――'17年3月8日、バルセロナの本拠地カンプノウのアウェー用控え室は、耐え難いほどの静寂に包まれていた。選手たちは頭を抱えてうつむき、誰ひとり状況を飲