企業や官公庁は従業員の一定割合以上、障害者を雇うことが法律で義務付けられている。障害者が社会参加でき、一緒に働くことで障害への理解や「共生」が進むという理念があるからだ。しかし、障害者雇用を負担に感じ、法で定められた割合を満たせていない企業も多い。そんな中、貸農園などを企業に提供し、働きたい障害者も紹介して雇用を事実上、代行するビジネスが広がっている。利用している企業は大手有名企業を含め約800社。運営事業者は「雇用の場を創出し、障害者が喜んで働いている」とPRする。ただ利用企業の大半は農業とは無関係で、多くの場合、農作物が市場に出ることはない。「お金を払って雇用率を買っているようなものだ」と物議を醸すこのビジネス、国会でも取り上げられ、政府が動き出す事態になった。(共同通信=市川亨) ▽引き上げられる法定雇用率 障害者雇用促進法は現在、一定規模の企業は障害者を従業員の2・3%以上雇うよう