新型万能細胞「STAP(スタップ)細胞」の論文不正問題は、若手研究者が研究倫理をどう学ぶかという課題を突きつけた。日本の科学技術の信頼に関わる問題だけに、大学などは倫理教育の強化に動き出した。不正を検出するソフトの導入例も増えている。 「学術論文におけるコピー・アンド・ペースト(コピペ=複写と貼り付けによる丸写し)の問題がクローズアップされている。厄介なのは無意識のコピー・アンド・ペーストが目に見えない形で私たちの思考を侵食していることではないか」 東大は11日の入学式で石井洋二郎教養学部長が新入生にこう注意を促した。STAP問題を受けた異例の対応だ。 大阪大も今月、不正防止の徹底を求める文書を学内に配布。若手研究者や大学院生らに対し、画像の使い回しや加工の禁止、適切な引用、研究データの保存などの指導を徹底するよう教員に求めた。 ■ルールも必要 「期待と違う実験結果が出たら喜べ」 リポート