世にはびこる経営コンサルタントはおおむね自分はやったこともないのに上から目線だし、無意味に理屈っぽくて面倒くさいので、よっぽど機嫌がいいとき以外は付き合わないようにしている。古巣の新人もだいたいそうなので、会社を立ち上げてから新しいコンサルタントの友人は作っていない。 唯一の例外はK林くん(若い)。笛を吹いたり美学について語ったりもするが本職はC社のコンサルタントだ。一回新規事業の立ち上げの初期にお手伝いしてもらったことがある。ものすごく面白い案を持ってきて、2週間ほどチームが盛り上がったが、ある日K林くんが自らその案を全否定する事実を発見した。すっかりやる気になっていた私たちDeNAメンバーの方が未練たらたらだったが、K林くんはあっさりその案を捨てた。 ほかにもいっぱい立派な点はあったけれど、私はその「捨てっぷり」も評価している。たった一ヶ月の付き合いの中、中盤も過ぎてしまったころに彼は