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ブックマーク / itlaw.hatenablog.com (12)

  • ベンダが提供していない決済モジュールの不具合による情報漏洩事故 東京地判令2.10.13(平28ワ10775) - IT・システム判例メモ

    ECサイトにおけるクレジットカード情報漏洩事故が、決済代行業者から提供されたモジュールの不具合があったという場合において、開発ベンダの責任がモジュールの仕様・不具合の確認まで及ぶか否かが問われた事例。 事案の概要 Xが運営するECサイト(件サイト)において、顧客のクレジットカード情報が漏洩した可能性があるとの指摘を受けて、Xは、件サイトにおけるクレジットカード決済機能を停止した(件情報漏洩)。その後、Xはフォレンジック調査を依頼し、不正アクセスによってクレジットカード会員情報が漏洩したこと、クレジットカード情報はサーバ内のログに暗号化されて含まれていたが、復号することが可能だったこと、漏えいした情報は最大で約6500件だったこと等が明らかとなった。 Xは、件サイトを、Yとの間で締結した請負契約(件請負契約)に基づいて開発したものであって、件サイトの保守管理についても件保守管理

    ベンダが提供していない決済モジュールの不具合による情報漏洩事故 東京地判令2.10.13(平28ワ10775) - IT・システム判例メモ
    vndn
    vndn 2023/11/03
    『SBPS社(引用者注:決済代行会社)』
  • SES契約における期間途中の撤収の責任 東京地判令3.12.20(令2ワ20021) - IT・システム判例メモ

    顧客からのクレームに納得できず、SES契約の期間途中に(ほかの案件も含めて)要員を撤収させたこと適否が問題となった事例。 事案の概要 X社は、下記の図のとおり、A社、B社、C社からそれぞれシステム開発に関する業務を受託し、それぞれの案件に対応する要員a、b、cを、Y社から調達し、その業務を担当させていた。1カ月当たりの単価を定め、比較的短期間(1カ月から3カ月)の契約期間が定められ、必要に応じて延長、更新が行われていたので、いわゆるSES契約といえる形態だったといえる。 このうち、A社にアサインされたaに関し、A社からパフォーマンスが低いとのクレームを受けたXは、2020年5月8日、Yに対し、A社は契約途中の5月22日を以て解除を希望していることなどを伝えた。 クレームの内容が、「GitRailsのコマンドがわからないレベルだ」などというものであったが、Yは「現場レベルでの作法の話だろう

    SES契約における期間途中の撤収の責任 東京地判令3.12.20(令2ワ20021) - IT・システム判例メモ
    vndn
    vndn 2022/08/07
    Yに対するペナルティ自体は納得だけど、それ以外○○なことしか書いてないじゃないか。
  • アジャイル開発と開発言語の合意・未完成の責任 東京地判令3.9.30(平31ワ3149) - IT・システム判例メモ

    アジャイル開発の紛争事例。ポイントは、①契約の性質は請負か、②開発言語や納期などの債務の内容の合意、③損害の範囲。 事案の概要 X(設立予定会社の発起人)は、Yに対し、設立予定会社の営業に用いるウェブサイト(件ウェブサイト)の開発を委託し、件契約を締結した。開発報酬は月額2000米ドル、メンテナンスは月額800米ドルと定められた。いわゆるアジャイル方式で行うことが合意され、契約書は後追いで取り交わされた。 件ウェブサイトは、件契約締結時点において第三者が開発した原型が存在しており、それに追加・改良していくことが前提となっていた。 Xは、Yによる開発が遅延し、件ウェブサイトがまったく機能しないとして、Yに対し、件契約の債務不履行による損害賠償及び不法行為に基づく損害賠償として、既払代金相当額、逸失利益額、慰謝料、弁護士費用など、合計で約2000万円を請求した。 ここで取り上げる争

    アジャイル開発と開発言語の合意・未完成の責任 東京地判令3.9.30(平31ワ3149) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2022/05/06
  • 放置系RPGの著作権侵害 知財高判令3.9.29(令3ネ10028) - IT・システム判例メモ

    スマートフォン用RPGゲームの著作権侵害が争われた事例。 事案の概要 放置系RPG*1と呼ばれるジャンルのA(Xゲーム*2)に係る著作権を共有するXが,同じジャンルのB(Yゲーム*3)を配信するYに対し,著作権(複製権,翻案権,公衆送信権)を侵害するとして,著作権法114条2項に基づく損害賠償4800万円,弁護士費用960万円等と,同法112条1項及び2項に基づいて差止めと記憶媒体からの削除を求めた。 原審(東京地(47部)判令3.2.18(平30ワ28994号))では,著作権の帰属から争われていたが,XがXゲームの共有持分権を有することは認めつつも,YゲームはXゲームの構成,機能,画面配置等及びこれらの組合せを複製又は翻案したものであるとはいえず,Yゲームに係るソースコードはXゲームに係るソースコードを複製又は翻案したものであるともいえないとして,Xの請求をいずれも棄却した。 Xは,損

    放置系RPGの著作権侵害 知財高判令3.9.29(令3ネ10028) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2021/12/27
    タイトルも似てて草
  • 1ライセンスでの使用可能な範囲の解釈と,違約金合意の有効性 東京地判令3.3.24(平30ワ38486) - IT・システム判例メモ

    ソフトウェアの1ライセンスで許諾される利用可能な範囲と,通常料金の10倍という高額な違約金を定める条項の有効性が問題となった事例。 注:知財高判令3.11.29(令3ネ10035)にて,原審が維持されている。特に特筆すべき個所はない。 事案の概要 Xは,メタボリックシンドロームに着目した健康診査及び保健指導に関するデータ作成用のプログラム(件プログラム)の著作権者である。件プログラムには,平成30年のアップデート前の件旧プログラムと,アップデート後の件新プログラムがある。 Xは,Y社と,平成20年8月に件旧プログラムの使用許諾契約1ライセンス分(件平成20年契約)を締結し,Yは,件旧プログラムを使用していた。その後,平成30年3月に件プログラムがアップデートされ,Yとの間で件新プログラムの使用許諾契約(件平成30年契約)が締結された。件平成30年契約では,契約で明示さ

    1ライセンスでの使用可能な範囲の解釈と,違約金合意の有効性 東京地判令3.3.24(平30ワ38486) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2021/08/09
  • ゲームシナリオ作成契約と請負/準委任 東京地判平30.10.26(平30ワ3180) - IT・システム判例メモ

    ゲームの企画及びシナリオの作成に関する委託契約の性質が問題となった事例。 事案の概要 Xは,Yから,スマホ用の乙女ゲームの企画及びシナリオの立案を依頼された。報酬が100万円であることが合意されていたが,Xがシナリオを提出した後もYが代金を支払わないため,提訴した。 ここで取り上げる争点 XY間の契約の法的性質。 Yは,XY間の契約は請負契約であって,審査・改訂の機会が与えられなかったから支払えないと主張していた。 裁判所の判断 裁判所は,準委任契約であるとした。 前記認定事実の経過に照らせば,XとYとの間では,プロジェクトの内容,方向性について上記の程度には合意されているものの,それ以上具体的な合意がされてはいないこと,Xにおいて,プロジェクトにおけるシナリオ作成についての具体的な内容に関する提案やYの意向の確認等はされており,Yからは抽象的な方向性等を示すことや要望を述べること

    ゲームシナリオ作成契約と請負/準委任 東京地判平30.10.26(平30ワ3180) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2019/08/31
  • ソースコードと営業秘密の不正使用 東京地判平30.11.29(平27ワ16423) - IT・システム判例メモ

    元従業員が競合ソフトウェアの開発に関わったという事例におけるソースコードの「使用」が争点となった事例。 事案の概要 基的な事実関係は,東京地判平27.6.25及びその控訴審・知財高判平28.3.23と同様だと思われる。いずれもXの元従業員A,Bらが所属するYが開発・販売する字幕制作用ソフトウェアの権利関係について争いになった事件だが,前訴は,プログラム及びデータベースの著作権侵害を理由に権利行使したのに対し(前訴にかかる請求はいずれも棄却。),訴は,ソースコード等が営業秘密であるとして,不正競争防止法に基づく請求を行った事案である。 ここで取り上げる争点 (1)Yが件ソースコードを使用したか (2)上記の行為が不正競争行為に該当するか 裁判所の判断 件の特徴として,XとYそれぞれのソースコードの類似点を分析するために鑑定が行われたことが挙げられる。その結果等は判決文に詳細に表れてい

    ソースコードと営業秘密の不正使用 東京地判平30.11.29(平27ワ16423) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2019/08/31
  • 契約書なきレベニューシェア 東京地判平30.2.27(平27ワ16237) - IT・システム判例メモ

    契約を締結しないままレベニューシェア型でシステム開発作業を行ったとして報酬等を請求した事案 事案の概要 XとYは,「dシステム」及び「aシステム」といったシステムを共同で開発することとし,Xは,Yに対し,Xの報酬について完全成功報酬型とし,上記システムによるサービスを開始してから得られる収益をXY間で合意された比率に従い分配することによりXが費やした開発費用を回収することを提案した。Xは,ストックオプションの付与も求め,Yはこれに応じる方針であった。 Xは,上記システム開発に着手したものの,そのシステム開発における各スプリント(小分けされた開発期間)における進捗目標を達することができず,開発が滞り,リリース予定も数次にわたり変更され,平成27年4月に至っても上記システムに基づくサービスを開始するまでに至らなかった。 Yは,「dシステム」及び「aシステム」に基づくサービスの提供を開始すること

    契約書なきレベニューシェア 東京地判平30.2.27(平27ワ16237) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2019/08/31
  • 契約時から大幅に仕様が変わった請負契約における仕事の完成 東京地判平29.11.21(平27ワ32041) - IT・システム判例メモ

    ゲームの開発において,途中でどんどん仕様が変わっていってしまい,リリースには至らなかったという事案における「仕事の完成」の認定が問題となった事例。 事案の概要 Yは,Xとの間で,平成27年2月10日,ゲームソフト(ゲーム)の開発委託を内容とする業務委託基契約(件基契約)を締結し,同日,特定のゲームの開発に関する個別契約(委託料総額約700万円。件個別契約*1)を締結した。α版,β版,マスタ版,リリース版それぞれについて納期が定められ,委託料は総額を4等分してそれぞれについて支払うこととされていた。 この当時,Yからはゲームの概括的な内容が記載された設計書がXに交付されていたものの,すべての仕様が記載されていたものではなかった。Xは,2人のプログラマをアサインすることを想定して,上記の委託料を見積もっていた(80万円(税抜)/人月×4か月×2人)。 Xは,α版を同年2月2

    契約時から大幅に仕様が変わった請負契約における仕事の完成 東京地判平29.11.21(平27ワ32041) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2019/08/31
  • SQLインジェクション対策不備の責任 東京地判平30.10.26(平29ワ40110) - IT・システム判例メモ

    SQLインジェクション対策をしていなかったことについて開発会社の責任が問われた事例。 事案の概要 Xは,Yに対し,Xの提供する車・バイクの一括査定システム(件システム)の開発を約320万円で委託し,平成24年9月に納品を受けた。 その後Xは,平成28年12月に,IPA*1から,中国のサイトに件システムの脆弱性に関する情報が掲載されているという指摘を受けて,Yに対し,その調査と報告を依頼した。 その結果,件システムには,SQLインジェクション対策が不十分という脆弱性が判明したことから,XはYに対し,その脆弱性はYの被用者の故意過失によって生じたものであるから,使用者であるYには使用者責任があると主張して,民法715条1項所定の損害賠償請求権に基づき,緊急対策費用47万5200円,詳細な調査,抜的な修正費用640万円,サーバー移転費用35万6400円,セキュリティ対策のための件システ

    SQLインジェクション対策不備の責任 東京地判平30.10.26(平29ワ40110) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2019/08/31
  • 開発途中で退職したエンジニアの責任 東京地判平27.3.26(平26ワ12971) - IT・システム判例メモ

    ソーシャルゲームの開発中に退職した従業員らが,会社から開発頓挫の責任を追及された事例。 事案の概要 Xは,ソーシャルゲームゲーム)の開発を目的として設立された会社である。Yらは,Xの設立前から,Xのグループ会社の依頼を受け,ゲームの開発に関わり,Xが設立された後には,Xの従業員となって,ゲームの開発に従事した。 ゲームのリリースは,当初定められていた時期には間に合わず,延期された。 その後,Yらが,いずれもゲームのリリース前に退職したところ,Xは,Yらが開発設計仕様書も作成せず,突然の退職によってゲームの開発が頓挫して損害を被ったとして,主位的に不法行為に基づく損害賠償として,予備的に労働契約上の債務不履行に基づく損害賠償として,5400万円の賠償を求めた。 ここで取り上げる争点 Yらは,信義則上,あるいは労働契約上の義務として,開発設計仕様書を作成する義務があっ

    開発途中で退職したエンジニアの責任 東京地判平27.3.26(平26ワ12971) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2015/11/22
    全員が不幸になる…
  • SNS野球ゲームの著作権侵害 東京地判平25.11.29(平23ワ29184号) - IT・システム判例メモ

    「プロ野球ドリームナイン」をGREE上で提供していたXが,Mobage上で「大熱狂!!プロ野球カード」を配信するYに対し,著作権侵害等を理由に損害賠償請求,差止請求した事件。 事案の概要 Xは,平成23年3月以降,GREEにおいて,「プロ野球ドリームナイン」というゲーム(Xゲーム)の配信を行っていた。同じく,Yは平成23年8月頃から,Mobage上で,同じくプロ野球ゲーム(Yゲーム)を配信していた。 Xゲームは,プロ野球カードゲーム形式のSNSゲームで,選手カードをガチャ等の方法で入手し,独自のプロ野球チームを作成,編成していくものであった。NPBから承認を受けて,選手カードには実名が使われていた。 Yゲームも同様に,プロ野球カードゲーム形式のSNSゲームで,選手カードをガチャ等の方法で入手することや,理想のプロ野球チームを編成していくことを内容とする点などが共通していた。選手カードは実名

    SNS野球ゲームの著作権侵害 東京地判平25.11.29(平23ワ29184号) - IT・システム判例メモ
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    vndn 2014/04/06
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