菅義偉首相が、在任が長期化する自民党の二階俊博幹事長を交代させる。党総裁選に立候補表明した岸田文雄前政調会長が掲げた「党役員の任期制限」を先取りし、衆院選で党の刷新をアピールする狙いだ。首相は人事直後に衆院解散に踏み切り、総裁選を先送りするシナリオを描くが、党内には「首相の個利個略だ」との批判も出ている。 「最後だから。3人が人事でどうなるか分からない」。自民党の二階氏と林幹雄幹事長代理、森山裕国対委員長は31日、公明党幹部との定例会合に出席して記念撮影に臨んだ。森山氏は会合後、記者団に「二階氏交代」の報道について問われると「まだ二階幹事長ですから、コメントは控えたい」と淡々と答えた。 首相が電撃的な人事に踏み切るのは、政権運営が「八方塞がり」に陥ったためだ。新型コロナウイルス対応の不手際から内閣支持率は低迷し、総裁選で相当数の「批判票」を岸田氏が取り込むとの観測が流れる。安倍晋三前首相や