兵庫県立明石公園(明石市)内にある旧明石市立図書館の活用が宙に浮いている。元々、図書館としての利用を条件に、同市が県から許可を得て設置していたが、3年半前の閉館で要件を満たさなくなった。本来なら許可期限の今年3月末までに市が更地にして県に戻す必要があったが、いまだ図書館の解体にも至っていない。駅に近く自然も豊かな好立地だが、空き家ならぬ「空き公共施設」はこの先、どうなるのか。 市立図書館(3階建て、約5千平方メートル)は1974年、隣接地に整備された県立図書館と同時にオープンした。2017年に明石駅前に移転した後は、郷土史関連の図書などを扱っていたが、20年3月に閉館。建物は使われないまま残っており、21年9月には屋上でミイラ化した遺体が見つかる事案もあった。 県による設置管理許可は都市公園法に基づき、図書館としての土地利用を前提に10年ごとに更新。直近の更新で23年3月末まで期限が延びた