事の始まりは昨年10月、私・りせんと田んぼ氏が1枚の絵葉書に目を奪われた事でした。 「上より見たる大江橋及控訴院付近」 この絵葉書はかつて堂島川沿いにあった大阪控訴院について調べている際に見つけたものです。 右奥で凛と高塔を天に伸ばす赤レンガの控訴院の姿は、当時の景観を壮麗なものにしていた事でしょう。 絵葉書を眺めるうちにふと、中央の淡いグリーンで彩られた建物が目に留まりました。 三角屋根やいくつかの尖塔を持ち、それがどこか欧州の古城の一部かのような雰囲気を感じさせています。建物の規模も決して小さいものではなく、遠近感を考慮しても横幅は控訴院の半分以上はあるようです。 2人共専門的な知識を持ち合わせている訳ではありませんし、これまでに知り得た、かつて中之島に存在した建築物の中でこの特徴的な外観を持つものは思い当たりませんでした。 果たしてどんな用途の施設だったのか。誰が建てて、どんな内装で
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