水道事業を「民営化」しやすくする水道法改正案が5日午前、参院本会議で与党などの賛成多数で可決された。水道の民営化は海外で失敗例が多く、野党側は民営化部分の削除を求めてきたが、週内にも衆院での採決を経て成立する見通し。改正案は、7月に衆院を通過して11月に参院で審議入りしていた。 改正案は、経営悪化が懸念される水道事業の基盤強化が主な目的。水道を運営する自治体などに適切な資産管理を求め、事業を効率化するために広域連携を進める。さらに、コンセッション方式と呼ばれる民営化の手法を自治体が導入しやすくする。 コンセッション方式は、自治体が公共施設や設備の所有権を持ったまま運営権を長期間、民間に売却できる制度。水道では導入事例はまだない。自治体が給水の最終責任を負う事業認可を持ったまま導入できるようにし、導入を促す狙いがある。 ただ、先行する海外では水道料金の高騰や水質悪化などのトラブルが相次いでい