日本は世界にさきがけて超高齢社会を迎えた。同時に超少子化も進む。介護を必要とする人が増え、介護を供給する側の人口が減る傾向だ。高齢化が進む先進国に共通の悩みだが、そこにテクノロジーのメスを入れ、問題解決に向けての新たな治療を行う人たちがいる。東京大学先端科学研究センターの檜山敦氏はバーチャルリアリティ(VR)、IoTなどの情報メディア技術を駆使し、サイバースペースと個人・社会を融合させ、超高齢社会の問題に新たな光を当てる。 東京都目黒区駒場の東京大学駒場リサーチキャンパス内にある研究室、通称「リビングラボ駒場」にお邪魔した。パソコンや工作機器が並ぶデスクの向こうに、土足厳禁の小上がりスペースがあり、その脇には一般家庭にあるような炊事場も完備されている。 「研究の内容を生活空間の中に落とし込むさいに、こうしたリビングスペースっぽい場所を利用して検証することができます。ここはそうした目的のため