東京電力福島第一原発の廃炉技術を研究する原子力損害賠償・廃炉等支援機構が溶融燃料(燃料デブリ)を建屋内に閉じ込める「石棺」方式に突然言及したことを巡り、県や立地自治体は「議論がないまま方針転換するのか」と不信感を募らせている。機構は一貫して、燃料デブリを取り出して処分すると説明してきたためだ。唐突感は否めず、「石棺化にかじを切る布石ではないか」との観測も出ている。 「通称"石棺方式"の適用は、(中略)長期にわたる安全管理が困難」。機構が13日公表した廃炉についての戦略プランは300ページに及ぶ。石棺方式に触れたのは6行のみで、前半には導入に否定的な言葉が並ぶ。 だが、文章は「(中略)今後明らかになる内部状況に応じて柔軟に見直しを図ることが適切である」と続く。「玉虫色」に見える表現の真意は一体どこにあるのか。 「石棺に選択の余地を残した」との報道を受け、機構は14日夕、「事実と異なる」とする