米大統領選に共和党候補ドナルド・トランプ(70)が勝利してから「ブラックジョーク」のようなニュースが続いています。米国が自由貿易から保護主義に、介入主義から孤立主義に舵を切れば、これまでの世界の常識が180度変わってしまいます。 アナトール・カレツキー氏(筆者撮影)英国の著名経済コラムニストで現在は香港に本拠地を置く金融サービス会社Gavekal Dragonomics首席コラムニストのアナトール・カレツキー共同議長が11日、ロンドンで講演しました。選挙期間中、トランプが人種差別発言や性差別発言を繰り返したことから、米国は自由、倫理、文化、価値をめぐり真っ二つに割れています。 カレツキー氏は道徳的価値を度外視し、純粋に経済面からトランプの唱えている経済政策によるプラス、マイナスを分析しました。目から鱗が落ちる刺激的な講演だったので、その内容を講演と質疑、彼のコラムをもとに要約してみました。