新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種を巡り、国が東京都などに設置する大規模接種センターでの予約に接種券が必要となった。これまで予約の殺到による混乱を避けるため年齢の高い順に接種券を送っていた自治体は、繰り上げ発送などの対応に追われる。担当者は「優先度が高い人が取り残されないようにしてきたのに」と頭を抱える。 (石原真樹、宮本隆康、加藤木信夫、太田理英子、花井勝規) 「大規模接種会場の予約を始められる日に、区の対応によって差があり不公平」。同居する80代の両親に早くワクチンを打たせたいという東京都大田区の男性会社員(56)が嘆く。17日から始まる23区居住者の予約には接種券が必要だが、大田区は同日に発送するため初日には間に合わない。「同じスタートラインに立てないのは納得がいかない」と男性。区の担当者は「急な話で変更できなかった」とする。