東京五輪の体操女子団体で金メダル大本命と目されていたアメリカだが、エースのシモーン・バイルズの途中棄権が響き、2位に終わった。リオ五輪と世界選手権でメダルを独占してきた王者は、会見でメンタルヘルスの問題を理由にあげた。彼女の「心の中」で何が起き、どうして棄権の決断に至ったのか、米紙が詳しく伝えている。 衝撃の展開に涙 シモーン・バイルズが宙に舞うと、その超人的な技をいとも簡単にやってのけているように見えてしまう。彼女はこの10年近くものあいだ、その肩に大きな重圧と期待を背負いながら女子体操界の頂点に立ってきた。 だが7月27日、東京五輪の団体決勝の舞台。最初の種目である跳馬で宙に舞ったバイルズは何かがいつもと違っていた。自分を見失い、動揺しているように見え、予定していた技をやり遂げることができなかった。 そして彼女は誰もが想像していなかった行動に出た。残りの種目には出ないという決断を下した