労働災害(労災)の認定では「時間外(残業)や休日の労働時間」が重要視される。どれだけ長く、休みなく働いていたかに目がいきがちだが、認定基準は「蓄積された疲労が解消できる睡眠時間を確保できていたか」が根拠となっている。 「睡眠時間は短いけれど、乗り切っている」という人は要注意だ。睡眠時間と睡眠の質には、強い相関関係があり、睡眠6時間未満の人は脳卒中や心筋梗塞を発症しやすいからだ。「睡眠のメカニズム」に、その答えはある。 ●短時間睡眠と突然死 睡眠には「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」の周期があることは知られている。 私たちは眠るとすぐノンレム睡眠に入り、およそ15分後からは「デルタ波」という脳波が出始める「徐波睡眠」、いわゆる“爆睡”が始まる。この時間帯は成長ホルモンによって、新陳代謝を促しながら傷ついた細胞を修復し、疲労を回復している。 その後、レム睡眠とノン