駿河台の交差点で弱々しくて、醜い男に声をかけられた。 男の容姿は肌が真っ黒で、目が小さく、天パで、唇が分厚くて とにかく容姿が醜かった。 声は自分と同じように通りが悪い、人に何かをいうのに適していない声だ。 悪い声質ということだ。 醜い男は醜い容姿の自分に神保町駅までの道順を聞いた。 醜い容姿の自分は神保町駅の方向を指さすと、男は「高校何年生ですか?」と聞き始めた。 おそらく何かの勧誘であろう。 神保町駅の方向を黙って指差し続けていたら、男は「はい、ありがとうございます」と言ってそこへ向かって歩いて行った。 ショックだった。 そもそも自分は高校生ではない。 父親の会社での労働もどき後で、そのために着ていた服が高校生に見えたのだろう。 なんとか自分のなかで許せる。 つらいのは、自分が弱々しいい容姿の醜い者から勧誘をされたということだ。 強引な勧誘というのは、勧誘する者は自分よりも弱い者を勧誘