(この記事は5月2日に掲載したものです) 【シンガポール=吉村英輝】5月9日実施のフィリピン大統領選で、ダバオ市のロドリゴ・ドゥテルテ市長(71)が、支持率でトップに躍り出ている。ダバオの治安を改善した実績に期待が高まる一方、人権を無視した言動を危ぶむ声も強まっている。外交能力も未知数で、選挙戦は米国の「トランプ旋風」さながらの様相を呈している。 犯罪多発地帯に短銃を片手にタクシーで隠密に乗り込み、強盗被害に出くわすおとり捜査を自ら行った-。ロイター通信は、暴力的手段も辞さないドゥテルテ氏の行政手法を紹介し、米刑事映画の「ダーティハリー」にも例えた。