教会内に投げ込まれ、窓の内側の網戸に突き刺さった状態で床に落ちた消火器。消火剤が散乱するよう事前に安全栓が抜かれていた(兵庫県東部の教会提供) キリスト教の教会や神学校が襲われる事件が近畿で相次いでいる。1年余りの間に大阪、兵庫、京都、滋賀の4府県で少なくとも50件以上が確認された。いずれもプロテスタント系の施設で、夜間に窓ガラスを割って消火器を投げ込むなどの手口も共通している。だが、犯人像や動機は見えない。 「あの日以来、物音に過敏になってしまい、よく眠れないんです」。兵庫県東部の教会で牧師を務める男性(61)は表情を曇らせた。 牧師によると、10月16日午前8時ごろ、近所の人から礼拝堂と同じ建物内にある聖書の勉強部屋の窓ガラスが割れていると知らされた。部屋に入ると、床に消火器が転がり、ホースから噴き出した消火剤で辺り一面白くなっていた。日曜礼拝を2日後に控えた金曜日の出来事だった