1年越しの要求が通り実現したノバラ移籍について、森本は「やっと自分の希望した通りになった」と語った【写真:Enrico Calderoni/アフロスポーツ】 「田んぼを見て、また匂いなども日本そっくりだったので、懐かしい感じがした」 7月、移籍先のノバラという街、地域の印象について尋ねられた森本貴幸は、こんなことを口にしていた。確かに、イタリア北部のピエモンテ州にあるノバラの周辺は稲作地として知られているところだが、「匂いなども日本そっくり」とは面白いことを言うものだと思った。 1カ月後、ノバラが夏季キャンプを終えて本拠地で練習を始めたころを見計らって訪れてみたところ、彼が言わんとしていたものが少し理解できた。ノバラ市郊外にある練習場“ノバレッロ”は広大な水田の間にあった。かんがい用の水路が張り巡らされ、辺りにはトンボが飛び交い、水田の中をのぞけばオタマジャクシがいっぱい泳いでいる。確