3月3 成田龍一『近現代日本史と歴史学』(中公新書) 7点 カテゴリ:歴史・宗教7点 サブタイトルは「書き替えられてきた過去」。戦後の歴史学が「近現代」をいかに捉え、叙述していったかということをたどった本です。 多くの人が「面白い」と感じる話ではないとは思いますが、大学の史学科で日本の近現代史を学んだ身としては懐かしかったですし、自分の興味が歴史学を離れて政治学や社会学へと移った理由を説明してくれる本のようにも感じました。 全体を通して「歴史」と「歴史学」の違い、「歴史学」と「教科書」の関わりについて触れられており、歴史を教えている教員や、あるいは「歴史好き」で大学の史学科に行くことを考えている高校生なんかは読んでおくといい本です(さらに日本近現代史で卒論を書こうとしている大学生は先行研究を知る上で"必読”と言えるかもしれません)。 著者によると戦後の日本の歴史学は、社会経済史をベースとし