■「一報受けた瞬間、大声で何度も叫びました」 「電話で一報を受けた瞬間、大声で何度も叫びました。こんなにうれしいことはない。憧れていた乱歩賞だ、と胸が熱くなりました」。直木賞作家の東野圭吾さん(55)や桐野夏生さん(61)らを輩出した公募ミステリー賞の最高峰、第59回江戸川乱歩賞を射止め、14日に東京都内で行われた会見で喜びを語った。 茨城県取手市に生まれ、今も母親と暮らす。小説家になることが幼い頃からの夢だったという。 「祖母がいろいろな本を読んでくれた。読む本がなくなって、お話を作ってみようとしたことが原体験にある」と振り返る。 二松学舎大を卒業後、東洋大大学院に進み、村上春樹さんをテーマに研究したのも、「物語に対する理解をもっと深めたい」という思いがあったから。図書館の司書として勤務する傍ら、2年に1作のペースで同賞に応募を続け、3度目の挑戦で栄冠を勝ち取った。