僕にとって最高潮につらいのが、好きな人に渡したラブレターに返事をもらうことだ。 ぜったいに、いらない。実際、渾身の(と呼べるだろう)ものを半生で3通出した。そのどれも返事をもらっていない。逃亡した、はぐらかした、もらってそのままダンボール箱にしまい黄砂となった。 では好きだった気持ちがうそだったかといえばそうではない。手紙を書くくらいだから。 * けれど、それと返事をもらうことは別もの。だいたい(こういういいかたをするからよくないのだけれど)返事がほしいとは僕はいっていない。反面からいえば、あるとき、大学院生のときに好きだった女の子とそれっぽい関係になり、「私の気持ちを知りたくないですか」といわれた。僕は戸惑い、まずその場を立ち去り、なんと返事をしたものか三日三晩くらい悶えて、「よく考えたのだけれど気持ちを知りたいといった覚えはないから」と、その女の子の友だちから伝えてもらった、それくらい