男性の精神科医が書く解説書には「近親相姦(書くのも嫌だ!)」とか「いたずら(吐きそう!)」とか、まったく当事者の気持ちに寄り添わない言葉が無批判に出てくるから、私は男性の専門家が書く本は読まないようにしている。 それとは別に、書き言葉と話し言葉があまりにも違いすぎる人もいる。どちらが本当かというなら、話し言葉にその人の本性が出てくると私は思う。 私に「あんたは立っても座っても同じだ」と言葉の暴力をふるった精神科医もその種類の人間だった。まだ彼の本性が分からなかった頃、一冊だけ翻訳本を読んだことがあった。家族の害毒がいかに女性の心を蝕むか、繊細な筆致で共感的に書いて見せた。感涙ものでした。原作がそもそもいいからではあるが。1990年当時トレンドだったACに目をつけたのは先見の明があったということでしょう。金鉱脈を掘り当てたというようなことを言っていたような気がします。 その偽善的な書き言葉と