2023年12月、群馬県桐生市在住のNさん(48歳)の呂律が回らなくなり、嘔吐が続いた。胃薬で紛らせようとしたが吐き気はおさまらず、異常を感じて救急車を呼んだ。脳梗塞と診断され、治療、リハビリを経て今年2月末に退院した。 入院中にソーシャルワーカーの働きかけで生活保護を利用することになった。同じ屋根の下で暮らす身体障害2級の実兄と、そしてNさんの退院と入れ替わるように家を出てグループホームに入所した異母兄、計3人で同一世帯と認定されての生活保護利用だった。 暴力的な父と2人の母と Nさんの家庭環境は複雑だった。 母親は内縁の妻で、子どもはNさんと兄の2人。Nさん家族が住む同じ家には本妻とその3人の子も暮らしており、計8人の大所帯だった。 父親は頻繁に暴力を振るった。その暴力は壮絶で、Nさんと兄は首を絞められたり、硬い灰皿で殴られたりして入院したこともある。兄が障害を負ったのは父親の暴力が元