今日の読売新聞で、2008年の論壇を「『新自由主義』崩落の年」と総括していた。 これらの危機や問題には共通の根があることを、今や私たちは知っている。小さな政府を志向し、社会の隅々までを市場化し、すべてを個人の能力に帰していく「新自由主義」である。2008年は、リーマンショックでその根が掘り出され、ここ20〜30年ほど世界を席巻してきたこの思想が、もはや従来のような力を持ち得ないことを明確にした年だったといえる。 確かに、「新自由主義」に否定的な言説は広まっていると思うけど、「新自由主義」以前に回帰せよという主張がほとんどであるように思える。少なくとも、世界が変化していく中で、日本がどう変わるべきかを示すようなビジョンは見あたらない。 特に、価値観の多様化を前提として社会が変化していく方法としては、市場や自由競争に代わるものは無いと思う。 「新自由主義」における市場化は、各自が萎縮することな