新型コロナウイルスの影響で、早期・希望退職を募集した上場企業は2020年上半期(1~6月)だけで41社に上り、昨年1年間を上回ったことが東京商工リサーチのまとめで判明した。その後も傾向に変化はなく、既に50社を突破し、募集人数は判明分で1万人に迫っている。今後も人員削減に乗り出す企業があるとみられ、リーマン・ショックの影響が残る10年の85社に届く可能性もある。 19年は業績が好調なのにもかかわらず踏み切る「黒字リストラ」が特徴で、実施した35社(計1万1351人)のうち、黒字企業が6割を占めていた。東京オリンピック後の景気後退への備えや組織の構造改革を背景に実施されたが、20年は新型コロナの感染拡大で状況が一変。8月13日までに52社に達し、このうち15社が新型コロナの影響を理由に挙げた。直近四半期を含む赤字企業は36社で、約7割を占めた。