予定の時間を過ぎていることに気づかず語り続ける吉本隆明さんは、終盤には天を仰ぐような姿勢になって言葉を紡ぎ出していく。 NHK ETV特集「吉本隆明 語る ~沈黙から芸術まで」2009年放送分を昨日再放送 「沈黙」という語は、あらためて確認してみないと断言できないが、その主著では鍵語としては使われていないし、「芸術言語論」という主題も著作では使われていないはずだ。もちろん主旨に変わりがあるわけではない。 講演時に、広く伝わりやすいものにすべく、講演用に自ら案出した編集の効果(modification)だったのだろうと思う。 僕にとって、この忘れかけていた映像が貴重なのは、「共同幻想」に相渉るとき、また共同幻想から相渉られるとき、そこで作用・反作用の力を蓄えているのも言語である、という示唆を与えてくれる点だ。いやそのように、著作以上に明言してくれていると思える箇所があることだ。おそらくは言語
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