私がよく行く日本料理店に、徹底的に仕事を究める料理人がいます。 彼は、メインではない付け合わせの野菜一つにも、見事な飾り包丁を入れます。 たとえば、ニンジンで紅葉を、キュウリで青葉を表現したりするのです。 たしかに、それによって美しさが増し、私たちの目を楽しませてくれていますが、それをしなくても彼の料理は充分に美味しいのです。 あまりにも手間がかかりすぎではないか。 連日満員の人気店なのだから、その手間をほかに回したほうが得なのではないか。 そう思った私は、一度聞いてみたことがあります。 「どうして、こんな面倒なことをするんですか?」 すると、「面倒くさいと思ったら、そこから、さらに三手間かけるようにしているんです」という答えが返ってきました。 その手間があるからこそ、お店は流行っているのだと。 彼の答えにしびれました。 だから私も、彼を見ならって、本のゲラをチェックするときなど「もういい
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く