「新刊展望」で2007年から2009年まで連載をしていた 『家飯』を改題したという「今日のごちそう」。 23の短編それぞれ「伊達巻」「アンコウ鍋」「のり弁」 「ラタトゥイユ」などおいしそうなタイトルがついています。 どれもありふれているような日常の中の、些細な、 あるいは実は大きく心を動かすような、出来事。 さして派手ではない短い物語の連続の 一編一編に入り込めるのは、なんというか、 日常のリアルな食事風景の描写があることかも。 ありふれた毎日に、ありふれたごはんを食べる物語の登場人物が なんだか身近に感じるような気がします。 そんな23の物語の中から「ごまかしのカルボナーラ」。 別れた彼から教えてもらった料理を 同居する弟に作る主人公の話。 かつての恋人とよく行ったお店とか、よく食べた料理だとか そういうものを他の誰かと食べて、ふと切なさを感じつつも そういう積み重ねが今の自分を作り上げ
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