日本を代表する消費財メーカーであるライオンが、DXで大きく変わろうとしている。そのキーマンとなるのが、DX推進部を率いる黒川 博史氏だ。黒川氏はどのようにして、社内にDXを根付かせようとしているのか。そして、ライオンが目指すDXのあり方とは。その取り組みを紐解いた。 CESで受けた衝撃。ライオンが取り残されるかもしれない 明治31年、音楽隊が勇ましい行進曲を奏でる中、『ライオンはみがき』と書かれた数十本の広告のぼりを掲げた宣伝パレードが進んで行く。一行は黒山の人だかりに囲まれながら粉ハミガキの広告チラシと実物見本を配り歩いた。 この楽隊は日本各地を巡業。併せて、新聞広告でも商品特徴や歯みがきの効能を掲載。この一大宣伝活動によって、『獅子印ライオン歯磨』は一躍全国に知れ渡り、歯みがきという習慣を根付かせるのに一役買ったこととなる。この商品はのちに社名となり、日本のオーラルケアに大きく寄与する
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